補体依存性活性に対する抗体医薬品候補のスクリーニングはバイオ医薬品の開発成功に必要不可欠です。Horizonの広範ながん種をカバーする細胞株ライブラリーを活用した、半自動化スクリーニングプラットフォームによる化合物試験でプロジェクト推進をサポートします。

 

補体依存性細胞傷害(CDC)アッセイとは?

補体依存性細胞傷害(CDC: Complement-Dependent Cytotoxicity)とは、標的細胞表面に対する補体カスケード活性化とリクルートメントを介して標的細胞が溶解する免疫応答のひとつです。CDCは厳密に制御されたプロセスであり、治療用モノクローナル抗体の中には膜侵襲複合体の力を利用してがん細胞を溶解させる抗体もあります。

 

CDCアッセイがプロジェクトに適している選択肢である理由は?

CDCアッセイで、がん免疫療法の抗体医薬品候補品の検証が進み補体依存性の有効性の確認ができます。疾患モデルとなるがん細胞株に対してリード物質のスクリーニングを実施することで、その作用機序を明らかにすることができます。加えて、当社の広範ながん細胞株バンクであるOncoSignature™パネルを用いた大規模スクリーニングの実施で、他細胞株や他がん組織へのリード物質の適応拡大の可能性を確認できます。

 

HorizonのCDCアッセイ

当社のCDCアッセイを用いて、1つの疾患モデルがん細胞株に対してパネル化された化合物のスクリーニングを行い、更なるアドバンストな研究のためのリード候補化合物の同定を行うことができます。または、がん細胞株パネルに対して数種のリード化合物のスクリーニングを行い、種々の細胞タイプまたはがん組織におけるリード化合物の有効性を調べることもできます。

Key highlights:

  • in vitroにおけるお客様の化合物の細胞障害活性の迅速かつロバストなデータ
  • 短期間でのプロジェクト完了:通常5~6週間(納期は細胞増殖に依存します)
  • モデル細胞株を用いた治療薬候補のパネルのスクリーニング
  • OncoSignature™がん細胞株パネルを用いたリード物質の検証

CDCアッセイは、治療用モノクローナル抗体開発を推進する強力なスクリーニングプラットフォームです。私共は、半自動化プロセスを組み込んだロバストなCDCアッセイワークフローを構築しました。このワークフローにより、このアッセイやがん細胞株パネルに渡る抗体間の比較を正確かつ再現性よく実施できます。当社OncoSignature™細胞株パネルの活用でCDCアッセイワークフローを、様々な発現量をもつ細胞表面タンパク質を広く標的とするような抗体のアッセイへの適用が可能です。このようにして、複数の細胞株および細胞系統に渡る候補抗体の検証が可能となります。

 

CDC assay preliminary data 

 

CDCアッセイデータレポートの代表的なプロット 

A: 細胞株毎のカルセインリリース量の閾値。アッセイした7細胞株のカルセインリリース量のパーセンテージ。破線は細胞がカルセイン染色で「漏れ」とみなせる 50% 閾値を図示。B:5細胞株でのリツキシマブ処理のCDCアッセイ。薬剤濃度に対する溶解率のプロット。C:リツキシマブ、バイオシミラー、IgGコントロール、リツキシマブとHI血清、バイオシミラーとHI血清で処理したRaji細胞溶解率の薬剤濃度に対するプロット。リツキシマブ(青)とバイオシミラー(金)のEC50値はシグモイド4パラメーターロジスティック曲線を用いて算出。UT: Untreated