Dharmacon All-in-one試薬により、CRISPRワークフローを簡素化することができます。All-in-oneプラットフォームは、CRISPRヌクレアーゼとシングルガイドRNA発現を単一のレンチウイルスパッケージベクターに統合し、最もシンプルな遺伝子ノックアウト、または転写活性化/抑制ワークフローを実現します。
One reagent CRISPR for any human or mouse gene.
All-in-oneのメリット:
- 単一試薬:CRISPRヌクレアーゼとsgRNAを発現する単一ベクター
- より簡単なデリバリー、ready-to-use:解凍後レンチウイルスを細胞に加えるだけで、トランスフェクションやエレクトロポレーションは不要
- 選択しやすさ:抗生物質耐性または蛍光選択マーカーを選択可能
- All-in-oneシステムにより、効率的な遺伝子ノックアウト、遺伝子転写活性化/転写抑制が可能です。
理想的な用途:
- CRISPRを始めてご使用の研究者の方:簡素化されたワークフローで迅速に結果を得ることができます。
- 遺伝子機能研究のための遺伝子改変細胞モデル作製が容易
- トランスフェクションが困難な細胞:レンチウイルス粒子の導入はほぼ全ての細胞タイプで使用可能
- ヒットの検証:プール化レンチウイルスライブラリーを用いたスクリーニングで得たターゲットヒットのフォローアップに
CRISPR実験を始めましょう
CRISPRko All-in-one Lentiviralシステム
単一試薬:CRISPR sgRNA + Cas9の発現を1つのベクターに組み合わせ、ゲノム編集を容易にします。
CRISPRa All-in-one Lentiviralシステム
単一試薬:CRISPR sgRNA + dCas9-VPRの発現を1つのベクターに組み合わせ、遺伝子転写活性化を容易にします。
CRISPRi All-in-one Lentiviralシステム
単一試薬:CRISPR sgRNA + dCas9- SALL1-SDS3の発現を1つのベクターに組み合わせ、遺伝子転写抑制を容易にします。
DharmaconTM All-in-oneシステムAll-in-oneシステムは、単一試薬、より簡単なデリバリー、選択しやすさという、最もシンプルなCRISPRワークフローを提供します。 単一試薬1つのベクターでCRISPRヌクレアーゼと遺伝子特異的ガイドRNAを発現させることにより、導入と選択を連続して行う必要がありません。 より簡単なデリバリーレンチウイルスのパッケージングにより、ほぼすべての細胞タイプに簡単に導入することができます。毒性のあるトランスフェクション試薬やエレクトロポレーション技術を必要としないため、All-in-oneシステムは、トランスフェクションが困難な細胞や初代細胞におけるゲノム編集や転写調節に特に有用です。 また、transduction-ready試薬は、クローニングやin vitro転写のステップを必要としません。 選択しやすさピューロマイシン耐性遺伝子またはEGFPマーカーを選択することで、ベクターの導入に成功した細胞を容易に選択することができます。EGFPは、蛍光が発現したらすぐにFACS解析を行うことができるため、標的細胞の迅速な濃縮に推奨されます。
プロモーターオプションプロモーターの選択により、お客様の細胞株で最も活性の高いプロモーターを選択することができます。 |
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All-in-oneのCRISPR遺伝子ノックアウト、遺伝子転写活性化、遺伝子転写抑制ワークフロー

All-in-oneシステムの特長は、そのシンプルなワークフローにあります。
遺伝子導入は、試薬を解凍し、適量を細胞に加えるだけ。その後、ピューロマイシンを用いて目的の細胞を選択するか、FACSを用いて濃縮することが簡単にできます。
ピューロマイシンセレクションを使用する場合、トランスダクション後24~48時間で増殖培地をピューロマイシンセレクション培地に置き換えます。その後、選択培地で正常に増殖するまで、細胞を毎日観察します。成長が安定したら、目的とする細胞集団の単離および/または細胞増殖を行うことができます。
また、EGFP蛍光レポーターオプションを使用すると、導入後72時間でFACSセレクションにより編集細胞を濃縮することが可能です。FACSによる濃縮ワークフローは、初代細胞のような短命の細胞タイプに特に有効です。
CRISPRaおよびCRISPRiについては、混合細胞集団のワークフローを推奨します。 workflow.
All-in-oneは2ベクターsgRNAやCas9と同等の性能を発揮する
All-in-oneレンチウイルスシステムは、Edit-RシングルガイドRNAとCas9ヌクレアーゼを送達するために2つの別々のレンチウイルスベクターを用いる方法と同等の効率で細胞を編集することが示されました。

2ベクターシステムの場合、hEF1αまたはmCMVの制御下でCas9を構成的に発現するためのレンチウイルス粒子を細胞に0.3 MOIで形質導入し、10 µg/mLブラストサイジンで10日間選択した後、non-targetingコントロール(NTC)あるいは、DNMT3BまたはPPIBをターゲットとするsgRNAレンチウイルス粒子を0.3 MOIで形質導入しました。
All-in-oneシステムでは、non-targetingコントロール(NTC)あるいは、DNMT3BまたはPPIBをターゲットとするAll-in-oneレンチウイルスsgRNAを野生型細胞に0.3 MOI にて形質導入しました。
すべての形質導入された細胞は、2 µg/mLピューロマイシンで3日間選択しました。次に、細胞を溶解し、T7EIを用いたDNAミスマッチ検出アッセイを使用してindel(挿入・欠失)を分析しました。
初代細胞およびiPS細胞における遺伝子ノックアウト
Edit-R All-in-oneは、レンチウイルスの導入により、初代細胞、iPSC、免疫細胞株など、トランスフェクションが困難な細胞タイプにおける標的遺伝子ノックアウトの実施に理想的なシステムです。
JurkatまたはK562細胞に、CD3またはCD28遺伝子のいずれかを標的とするEdit-R All-in-one EGFPレンチウイルスsgRNAベクターを用いて、0.3 MOIで形質導入しました。All-in-oneレンチウイルス粒子は、hEF1αまたはmCMVプロモーターの下で構成的にCas9ヌクレアーゼを発現します。Non-targetingコントロール(NTC)ガイドを発現するレンチウイルス粒子をネガティブコントロールとして使用しました。レンチウイルスの形質導入と増殖の後、細胞をソーティングせず細胞集団(Pool)として分析するか、またはソーティングを行って、最も明るい(Top)または最も暗い(Dim)EGFP発現細胞集団を濃縮しました。次に、細胞のPool、Top、およびDimの集団をTIDE分析にかけ、ゲノム編集の割合を評価しました。
Efficient CRISPRmod CRISPRa All-in-one Puro-dCas9-VPRによる効率的な転写活性化![]() HEK293TまたはHCT-116細胞を96ウェルプレートにそれぞれ20,000または5,000細胞/ウェルでプレーティングし、POU5F1、TTN、IL1R2を標的とするsgRNAを含むCRISPRa All-in-oneレンチウイルスまたはnon-targetingコントロールレンチウイルスを0.3 MOIで形質導入しました。細胞は2.5 µg/µLのピューロマイシンで5日間選択し、増殖させ、導入後2週間目に採取しました。RT-qPCRを用いて相対的な遺伝子発現を算出しました。各遺伝子の相対発現は、ACTBをハウスキーピング遺伝子として∆∆Cq法で算出し、non-targetingコントロールに対して正規化しました。
感染多重度(MOI: multiplicity of infection)を増加することにより標的活性化が向上する![]() HEK293T細胞を96ウェルプレートに20,000細胞/ウェルでプレーティングし、POU5F1、TTNを標的とするsgRNAを含むCRISPRa All-in-oneレンチウイルスまたはnon-targetingコントロールレンチウイルスを図に表示されたMOIで形質導入しました。細胞は2.5 µg/µLのピューロマイシンで5日間選択培養し、増殖させ、形質導入後1週間または2週間で採取しました。RT-qPCRを用いて遺伝子の相対的発現量を算出しました。各遺伝子の相対発現は、ACTBをハウスキーピング遺伝子として∆∆Cq法で算出し、non-targetingコントロールに対して正規化しました。
ソーティングされていないU2OS細胞におけるOCT4タンパク質発現の誘導![]() U2OS細胞を96ウェルプレートに10,000細胞/ウェルでプレーティングし、POU5F1を標的とするsgRNAを含むEGFP CRISPRa All-in-oneウイルスまたはnon-targetingコントロールレンチウイルス(NTC2)を0.5 MOIで形質導入しました。細胞は継代し、96ウェルプレートおよび6ウェルプレートに展開しました。導入後1週間経過した96ウェルプレートで培養した細胞からRNAを抽出しました。RT-qPCRを用いて、遺伝子の相対発現量を算出しました。各遺伝子の相対発現は、ACTBをハウスキーピング遺伝子として∆∆Cq法で算出し、non-targetingコントロールに対して正規化しました。
EGFP mCMV CRISPRa All-in-oneウイルス粒子によるソーティングされていないU2OS細胞における OCT4タンパク質の活性化![]() U2OS細胞を96ウェルプレートに10,000細胞/ウェルでプレーティングし、POU5F1を標的とするsgRNAを含むEGFP CRISPRa All-in-oneウイルスまたはnon-targetingコントロールレンチウイルス(NTC2)を0.5 MOIで形質導入しました。 |
CRISPRmodによる効率的な遺伝子転写抑制 CRISPRi All-in-oneシステム![]() EK293T、U2OS、またはHCT-116細胞を96ウェルプレートに20,000、10,000、または5,000細胞/ウェルでプレーティングし、PPIB、SEL1Lを標的とするsgRNAを含むCRISPRi All-in-oneレンチウイルスまたはnon-targetingコントロールレンチウイルスを0.3 MOIで形質導入しました。細胞は2.5 µg/µLのピューロマイシンで5日間選択し、増殖させ、形質導入後の指定された時点で採取しました。RT-qPCRを用いて、遺伝子の相対発現量を算出しました。各遺伝子の相対発現は、ACTBをハウスキーピング遺伝子として∆∆Cq法で算出し、non-targetingコントロールに対して正規化しました。
ピューロマイシン選択により、遺伝子転写抑制が改善される![]() U2OS細胞を96ウェルプレートに10,000細胞/ウェルでプレーティングし、PPIB、SEL1L、TFRCを標的とするsgRNAを含むCRISPRi All-in-oneレンチウイルスまたはnon-targetingコントロールレンチウイルスを0.3 MOIで形質導入しました。細胞は2.5 µg/µLピューロマイシン(該当する場合)で5日間選択し、増殖させ、形質導入後1週間または2週間後に採取しました。RT-qPCRを用いて、遺伝子の相対発現量を算出しました。各遺伝子の相対発現は、ACTBをハウスキーピング遺伝子として∆∆Cq法で算出し、non-targetingコントロールに対して正規化しました。
EGFP陽性のJurkat細胞における遺伝子転写抑制の増加![]() Jurkat 細胞を 25,000細胞/ウェルでプレーティングし、CD46 を標的とする sgRNA を含むCRISPRi All-in-oneウイルス(CRISPRi)またはnon-targetingコントロールレンチウイルス(NTC2)を0.3 MOIでで形質導入しました。細胞は2つに分け、一方は1週間培養し、mRNA抽出のために採取しました(形質導入1週間後、Pre-FACS)、もう一方は3週間培養し、PBSで洗浄後、FACSバッファ(10 mM Tris-HCl - pH 7.5, 25 mM HEPES, 1% FBS含有1X PBS)中に再懸濁させました。EGFP陽性細胞をFACSでソートし、1ウェルあたり〜50,000個のEGFP陽性細胞を含むソーティングを24ウェルプレートに入れました。細胞は1週間増殖させ、導入後4週間目にRNAを採取しました(Post-FACS)。RT-qPCRを用いて、遺伝子の相対発現量を算出しました。各遺伝子の相対発現は、ACTBをハウスキーピング遺伝子として∆∆Cq法で算出し、non-targetingコントロールに対して正規化しました。 |