CRISPRスクリーニングを成功させるための最初のステップ:アレイ化またはプール化ライブラリーを用いたスクリーニングのどちらを選択するか?



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CRISPRスクリーニングにより、研究者は数十、数百、または数千の遺伝子の生物学的活性を調べて、どんな遺伝子が癌の生物学的パスウェイ、創薬ターゲット同定、プローブ機能、患者層別化、その他多くの重要な生物学的アプリケーションに重要であるかを明らかにすることができます。

スクリーニングアッセイの可能性を最大限に引き出すための最初の重要なステップは、研究の生物学的クエスチョンにとって適切なスクリーニングフォーマットを選択することです。以下に、Horizonのテクニカルサポートチームがお客様からのライブラリーフォーマットの選択についてのご質問の際にお話しする質問を示します。

  • 見つけようとしている生物学的クエスチョンは何ですか?
  • その表現型は、細胞集団の中で、バックグラウンドから選択または分離できますか?
  • 施設には、ハイスループットスクリーニングを実行するための自動化機器が装備されていますか?
  • 施設は、レンチウイルス粒子の取り扱いは許可されていますか?
  • 施設内にはどのくらいの保管スペースと細胞培養スペースがありますか?
  • 細胞のトランスフェクション性と増殖特性について把握済みですか?

これらの状況に応じて、アレイ化またはプール化ライブラリーフォーマットのどちらかが、他方よりも適している場合があります。決定を下すのに役立つように、各フォーマットのアプリケーション、利点、および特別な考慮事項のいくつかをリスト化しました。

レンチウイルスプール化スクリーニング 化学合成アレイ化スクリーニング
アプリケーション •細胞生存率/増殖アッセイやFACS分析など、選択圧に応じて変わりうる表現型に適切
•薬剤耐性遺伝子の同定
•トランスフェクションが困難な細胞に適切
 
•シンプルな遺伝子型―表現型の相関
•顕微鏡による形態学的表現型などの複雑なスクリーニングアッセイが可能
•ハイコンテントスクリーニングアッセイに適切
利点 •ライブラリーのサイズに関係なく、比較的一貫したセットアップが可能
•最小限の自動化または専用機器で実験が可能
•実験操作が比較的少ない
•カスタムライブラリーが利用可能
•より長時間の測定ポイントを設定可能
 
•ウェルごとに1つの遺伝子でアッセイし、潜在的なヒットを簡便に同定可能
•非常に複雑なリードアウトも実行可能
•マルチパラメ ータのリードアウトを実行可能
•カスタムライブラリーが利用可能
•3Dおよび共培養研究が可能
•細胞の活発な分裂および増殖を必ずしも必要としない
 
特別な要件 •細胞集団から特定の表現型の細胞を選択/分離する機器/技術等
•スクリーニング期間中、非常に大量の細胞集団から培養を開始し大型フラスコを維持する機材/技術等
•細胞は通常、スクリーニング期間中活発に分裂および増殖している必要がある
•ヒットをデコンボリューションするためのNGSおよび広範なバイオインフォマティクスが必要
•ウイルス取り扱いが可能な施設
 
•細胞はトランスフェクションまたはエレクトロポレーションに適している必要がある
•自動化液体分注装置が必要
•自動化に必要なプレート、培地、チップなどの消耗品による試薬コストの上昇
•プレート間またはウェル間の変動の可能性
•十分冷凍スペースが必要な場合がある
•より短時間の測定ポイントになることを考慮
 

Horizonでは、どちらのフォーマットを選択しても、ヒトおよびマウスのゲノム全体で遺伝子あたり5〜10個のガイドRNAを幅広くカバーする、さまざまな組み合わせ済みの、またはカスタムのライブラリーを提供しています。これらのガイドRNAは、機能的に検証された独自のアルゴリズムによって設計されており、他に類を見ない特異性を備えた効率的なノックアウトを提供し、実験の成功の可能性を最大限に高めます。

 

Authors:

Annie Zhang Bargsten, M.D., Ph.D. | Scientific Support Specialist 2 and Ivonne Rubio, Ph.D. | Scientific Support Specialist 3

 
HorizonのCRISPRライブラリーオプションをご覧ください。

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  • Lentiviral sgRNA screening in primary immune cells - blog post
  • 創薬における細胞パネルスクリーニングと機能ゲノミクススクリーニングの利点 - blog post

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References
  1. A. Cluse, I. Nikolic, et al. A Comprehensive Protocol Resource for Performing Pooled shRNA and CRISPR Screens. Methods Mol Biol. 1725, 201–227 (2018). doi: 10.1007/978-1-4939-7568-6_17
  2. S. J. Pettitt, D. B. Krastev, et al. Genome-wide and high-density CRISPRCas9 screens identify point mutations in PARP1 causing PARP inhibitor resistance. Nat Commun. 9, 1849 (2018). doi: 10.1038/s41467-018-03917-2
  3. Ž. Strezoska, M. Perkett, et al. High-content analysis screening for cell cycle regulators using arrayed synthetic crRNA libraries. J. Biotechnol. 251, 189-200 (2017). doi: 10.1016/j.jbiotec.2017.04.017
  4. J. Tan, S. E. Martin. Validation of Synthetic CRISPR Reagents as a Tool for Arrayed Functional Genomic Screening. PLoS One 11, e0168968 (2016). doi: 10.1371/journal.pone.0168968
  5. JR Costa, BE Bejcek et al. Genome Editing Using Engineered Nucleases and Their Use in Genomic Screening. Assay Guidance Manual. 2017.