Dharmacon™ 化学合成RNAおよびDNAオリゴ試薬で実験の信頼性を確保



RNAまたはDNAオリゴで実験を行っている場合、次のような疑問が湧くと思います。すなわち、異なる合成間またはバッチ間で変動があるのか?その違いは実験の結果に影響を与えるのか? 
このブログでは、RNAおよびDNA合成の再現性を確保するために講じられた対策を探り、実験で予期しない結果が生じた場合に調査を行うための、トラブルシューティング手順の概要を説明します。

 

Dharmacon™ RNAおよびDNA合成の再現性が高い理由は何ですか?

Dharmacon RNAおよびDNAは自動化されたプラットフォームで合成されるため、人的ミスの余地はほとんどありません。

オリゴは、特許取得済みの2’-ACEケミストリーに基づく完全な合成プロセスを使用して作られています。

化学合成されたすべてのオリゴは、質量分析を使用して、生成されたオリゴが注文と一致することを確認することを含む、当社の品質管理プロセスを経ます。当社の製造施設はISO 9001認定を受けています。当社の認証はこちらからご覧ください。

化学合成のこれらの状況により、同じオリゴの異なるバッチが実質的に同一になり、バッチ間の大きな変動はありません。

複数バッチのオリゴが同一であることを確認するには?

カタログ品を使用する場合は、カタログ番号を比較してください。カタログ番号が同じ場合は、オリゴ配列と修飾も同じです。デザイン済み製品の配列が変わると、カタログ番号も変わります。たとえば、RefSeqデータベースの更新後にsiRNAがその標的遺伝子のすべてのアイソフォームの配列とは一致しなくなったことが判明した場合、siRNAを再設計し、新しいカタログ番号を発行します。

カタログ品のオリゴを使用しているかカスタムオリゴを使用しているかにかかわらず、配列と修飾は、製品に添付される製品データシートに記載されています。ON-TARGETplus™やmiRIDIAN™などの一部の修飾は当社独自のものであるため、正確な化学修飾ではなく修飾名が表示されます。製品データシートの電子版をご希望の場合は、注文番号をお知らせください

実験間の結果が異なる場合に考えられる理由は?

実験環境において検討すべきことを次に示します。

再溶解と保存

  • オリゴは乾燥ペレットとして提供しており、実験ニーズに合った濃度に再溶解できます。乾燥オリゴは、室温で最大4週間、-20℃または-70~-80℃で少なくとも1年間安定です。
  • 分解を避けるために、実験に適したDNaseまたはRNaseフリーの溶液にオリゴを適切な濃度で再溶解します。再溶解したオリゴは、オリゴを損傷する可能性がある凍結融解の繰り返しを避けるために、実験に適した少量に分注することができます。5回以上の凍結融解は避けることをお勧めします。再溶解したオリゴは、-20℃または-70~-80℃の自動霜取り装置の無い冷凍庫に保管してください。

オリゴ濃度

  • 260nmで吸光度を測定し、オリゴ原液の濃度を確認します。
  • 推奨されるオリゴ濃度、または事前の実験でアッセイ用に最適化された濃度で実験してください。

導入

  • メーカーの最適化のためのマニュアル等に従って、最適な導入条件を体系的に決定します。
  • 条件が最適化されたら、各実験でポジティブコントロールを使用し、毎回オリゴが細胞に導入されていることを確認します。
  • 同じ試薬を使用していても、時間の経過とともに導入条件が変わる可能性があります。たとえば、リポフェクション法による導入では、トランスフェクション試薬の新しいチューブ、または以前の使用から劣化したトランスフェクション試薬のチューブのいずれかを持っている場合があります。再最適化が必要になる場合があります。

細胞

  • 継代数、培地、細胞密度、培養形式、細胞の過酷な継代、細胞の過剰増殖、または汚染のすべてが実験に影響を与える可能性があります。
  • 初代細胞を使用する場合、異なるドナーからの細胞間、または患者と健常対照の細胞間で違いがある可能性があります。
  • 異なる細胞タイプで実験を繰り返す場合は、導入条件を再度最適化することをお勧めします。一部の効果は、細胞タイプに特異的である可能性があります。
  • 細胞の生存率は、オリゴ導入、または遺伝子のノックダウンまたはノックアウトによって影響を受ける可能性があります。

アッセイ

  • 試薬と研究目的に適したアッセイを、アッセイ固有のポジティブおよびネガティブコントロールとともに使用してください。
  • オリゴ導入後のアッセイのタイミングが、予想される効果が検出可能になるのに十分であることを確認してください。これは、使用細胞種と研究対象遺伝子によって異なります。
  • 混合細胞集団で実験する場合は、試薬導入の影響を受けていない細胞の存在によって効果がマスクされる可能性があることに注意してください。

 

実験に関するご相談はいつでもお待ちしております。お気軽にお問い合わせください

Dharmacon商品について

Written by Janine Ostick, PhD,  Scientific Support Specialist 2