CRISPR-Cas9実験至適化のための、ユニバーサルな細胞死誘導用コントロール化学合成ガイドRNA

適切なコントロールは、優れた実験計画に不可欠です。ゲノム編集には、CRISPR-Cas9コンポーネントの導入が必要であり、二本鎖切断を引き起こし、細胞の内因性メカニズムによる不完全な修復が行われます。そのため、効果的なネガティブおよびポジティブコントロールの使用は、効率的な遺伝子ノックアウトの実行とその結果を確認するために重要です。non-targetingコントロールは、潜在的な非特異的効果の評価を可能にし、ポジティブコントロールは、ゲノム編集の効率を評価するために使用でき、実施実験における良好なトランスフェクションの指標として機能します。

導入効率を至適化および監視するためのポジティブコントロール

CRISPR-Cas9コンポーネントの細胞への導入は、比較的速く数時間以内に生じます。ただし、標的遺伝子のノックアウトによる顕著な表現型を示すまでには数日かかる場合があります。少なくとも導入効率の観点から、実験が成功したことをプロセスの早い段階である程度確実にすることは、研究者にとって有益です。これは、表現型を測定できるまでの時間が長い場合に特に役立ちます。最初の実験の至適化は、編集効率を定量的に評価できる標的固有のポジティブコントロールを使用して実行する必要がありますが、多くの実験では、導入効率の迅速な評価ができれば、リソース、労力、試薬、および時間を節約できます。そうでなければ、失敗している可能性のあるゲノム編集実験で費用と時間のかかる表現型アッセイを継続したり、不十分なトランスフェクションによる不十分な結果を解釈したりするなど、無駄の生じる可能性があります。

Lethal controlの価値

Edit-R Lethal sgRNAコントロールまたはEdit-R Lethal crRNAコントロールは、細胞死を誘導するユニバーサルなポジティブコントロールであり、細胞の生存率をCRISPR-Cas9コンポーネントの細胞への導入効率と相関させることができます。このコントロールは、トランスフェクション効率の迅速で視覚的かつ定量化可能な指標を提供します。

Edit-R Lethalコントロールを使用する理由:

  • 複雑または費用のかかる表現型アッセイが不要:編集効率は、顕微鏡による目視検査または単純な細胞生存率アッセイによって推定できます。
  • 時間とリソースの節約:トランスフェクションが効率的であったかどうかをすぐに判断できます。
  • 堅牢性、および一貫性:スクリーニングあるいは個別の実験において、複数のプレートに渡って導入の全体的な効率をモニタリングできます。
  • 採用が容易:実験にLethalコントロールを含め、実験用sgRNAまたはcrRNAと共に実行します。Cherry-pickライブラリー注文時にもLethalコントロールを含めることができます。
  • 様々なCas9ヌクレアーゼソースとの互換性:Cas9安定発現細胞株、Cas9タンパク質、Cas9 mRNAのいずれを使用する場合でも、他のsgRNAまたはcrRNAと同様にLethalコントロールを細胞に導入できます。
  • 適切なアッセイ固有のポジティブコントロールが利用できないまれなケースでは、唯一のポジティブコントロールとして使用できる場合があります。

Additional Resources

Edit-R synthetic sgRNA(化学合成sgRNA)ポジティブコントロールと検出プライマー
  • 特徴のはっきりした遺伝子を標的とする種特異的な化学合成sgRNAおよびミスマッチ検出アッセイプライマーを使用して、ゲノム編集効率を最大化する実験条件を検討するために使用します。
Edit-R synthetic crRNA(化学合成crRNA)ポジティブコントロールと検出プライマー
  • 特徴のはっきりした遺伝子を標的とする種特異的な化学合成crRNA、およびミスマッチ検出アッセイプライマーを使用して、ゲノム編集効率を最大化する実験条件を検討するために使用します。
ゲノム編集のための効果的なコントロール
  • 表形式で、ゲノム編集実験の効果的なコントロールの選択をご説明しています。
Edit-R ゲノム編集ワークフローガイド
  • 遺伝子ノックアウトまたは遺伝子ノックインの作製に対応するEdit-Rツール選択を確認できるチャート
Edit-R lentiviral sgRNA プロトコール
  • Edit-R lentiviral sgRNAポジティブコントロール用プロトコール
Edit-R Lethal crRNAコントロールについて
  • アプリケーションノート:トランスフェクション最適化およびCRISPR-Cas9実験条件の継続的モニタリングのためのEdit-R™Lethal crRNAコントロール