siRNAは、培養細胞においてタンパク質をコードする遺伝子の短期間ノックダウンを誘導するために広く使用されています。ただし、そのデリバリーには、従来、リピッドベースのトランスフェクション試薬、ウイルスベクター、または機器などが使われていました。これらは、トランスフェクションが困難な多くの細胞タイプに毒性を示す可能性があります。Accell siRNAは、siRNAデリバリーに新しいセルフデリバリーメカニズムを使用することにより、従来のsiRNAデリバリーに固有の制限を克服しています。
これにより、初代免疫細胞を含むあらゆる細胞タイプで遺伝子ノックダウンが保証されます。Accell siRNAは、以下の論文で新しい発見を産み出しています。
Publication 1
代ヒトT細胞においてAccell siRNAを使用してPP1αの機能を分析した研究により、サイトカイン合成におけるPP1αの重要な役割が示され、PP1αが、さまざまな形態の慢性炎症性疾患の重要な治療標的であることが示唆されました。1
Publication 2
マウスTh17分化細胞においてAccell siRNAを使用してCtr9をノックダウンした研究により、Ctr9が、重度の自己免疫疾患である抗糸球体基底膜糸球体腎炎におけるTh17による炎症の負の調節因子として機能することが明らかになりました。2
Publication 3
初代ヒトマクロファージの複数のsiRNAトランスフェクション法の比較において、Accell siRNAを使用したBaxのノックダウンが、Bax発現をアップレギュレートすることによってその効果を発揮する薬剤であるResveratrol処理後の細胞死から保護することが示されました。3
Publication 4
Accell siRNAは、遺伝子操作に耐性があることで知られる細胞タイプであるヒトの皮膚に由来する初代ヒトマスト細胞の生存率を損なうことなく、高いトランスフェクション率をもたらすことが証明されています。4
Accellの他の利点
Accell siRNAは、初代免疫細胞などのトランスフェクションが困難な細胞タイプで遺伝子ノックダウンを可能にするだけでなく、さらにいくつかの利点を提供します。その利点には、in vivoでの使用に適しているという点が含まれます。その理由は、Accellには、細胞毒性が低い、安定化修飾が導入されている、および連続投与による長期間のノックダウンが可能であるという特性があるためです。
遺伝子ノックダウンの効果が通常わずか4〜6日である従来のsiRNAとは異なり、Accell siRNAは、連続投与すると最大30日間遺伝子ノックダウンを提供することが示されています。これにより、Accell siRNAは、より長い半減期を示すタンパク質の分析や、長いモニタリング期間を必要とするアッセイに理想的です。
Accell siRNAの詳細をご覧ください。
Written by Christian Nievera, Ph.D., Product Manager
Christianは、Horizon DiscoveryのRNAiおよび機能ゲノミクススクリーニングライブラリのシニアプロダクトマネージャーです。彼は、抗体、siRNA、遺伝子編集ツール、PCR試薬などのさまざまなポートフォリオを管理するライフサイエンス業界で10年以上を経験しています。Christianは研究チームと協力し、新しい機能ゲノミクスツールを開発して市場に投入しています。 Christianはフロリダ工科大学で生物科学の博士号を取得しています。
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References
- G. H. Wabnitz, H. Kirchgessner, et al. Protein Phosphatase 1α and Cofilin Regulate Nuclear Translocation of NF-κB and Promote Expression of the Anti-Inflammatory Cytokine Interleukin-10 by T Cells. Mol Cell Biol. 38 (2018)
- H. Lee, J. W. Lee, et al. Cln 3-requiring 9 is a negative regulator of Th17 pathway-driven inflammation in anti-glomerular basement membrane glomerulonephritis. Am J Physiol Renal Physiol. 311, F505 – F519 (2016)
- S. X. M. Dong, R. Cabellero, et al. Transfection of hard-to-transfect primary human macrophages with Bax siRNA to reverse Resveratrol-induced apoptosis. RNA Biol. 17, 755 – 764 (2020)
- T. Hazzan, S. Guhl, et al. An efficient method for gene knock-down by RNA interference in human skin mast cells. Exp. Dermatol. 26, 1136-1139 (2017)