HAP1細胞株を用いた実験を成功させるために



HorizonのHAP1ノックアウト細胞株などのready-to-go細胞株(カタログ細胞株)を使用すると、遺伝子改変設計とクローン分離の手順をスキップでき、すなわちリサーチツールの作成に費やす時間を減らすことができるため、本来の研究課題により多くの時間を費やすことができます。 HAP1細胞株の培養に不慣れな場合は、以下のヒントをご参照いただくことで、HAP1細胞株を用いた実験を成功させることができます。

Scientist working in cell culture hood

  1. 株を分けて作業する
    HAP1ノックアウト(KO)細胞株は、目的遺伝子以外は遺伝的に同質(アイソジェニック)な
    野生型のHAP1親細胞株(WT:Wild Type)とのペアとして提供されます。野生型細胞株によるKO細胞株の汚染を避けるために、2つの細胞株間で細胞培養培地を共有することは避けてください。解凍、細胞の継代、およびアリコートの凍結の作業プロセスは、別々に行うことを強くお勧めします。WT細胞株とKO細胞株を同時にフードの下に置いておくと、ピペットまたは細胞培養試薬が誤って細胞間で共有された場合に、相互汚染につながる可能性があります。
  2. メディアコントロールを維持する
    細菌、真菌、またはマイコプラズマ汚染について試薬を管理/チェックした上で、受け取った細胞株を培養してください。細胞を含まない培地のアリコートを37℃で1〜3日間一晩培養することにより、細菌および真菌の汚染をチェックできます。マイコプラズマ汚染は、指定されたキットを使用してチェックできます。
  3. 解凍は準備をしてから
    凍結したHAP1アリコートから妥当な復活率を得るには、37°Cのウォーターバスに細胞を加える前に、すべての試薬、細胞培養ボトル、および材料を準備するのが最善です。細胞が解凍し始めたが、まだ凍結したペレットが少し残っている頃に、クライオチューブの外側を70%エタノールで洗浄し、クライオバイアルを開いて、2mlのピペットで細胞を吸い上げます。次に、慎重に、培地チューブ内の予めあたためた細胞培養液10 mlにピペットを入れ、ピペットの内容物を培地にゆっくりと放出します。
    HAP1細胞培養ガイドラインに記載されているように、細胞を注意深く再懸濁し、培養してください。
  4. アッセイの検証方法
    HAP1 KO細胞株はゲノムレベルで検証されています。そのため、細胞株のKOステータスを確認するときは、目的のタンパク質を認識するように十分に特徴付けられたモノクローナル抗体を使用してください。さらに、目的のタンパク質の機能アッセイで確認してください。機能アッセイの例としては、
    数ある論文の中からでは、タンパク質間相互作用(1)、表現型(2)、アフィニティークロマトグラフィーと免疫沈降(3)、またはDNAフットプリント(4)などがあります。
  5. 倍数性を維持する
    HAP1細胞株は、自発的に二倍体状態に切り替わることがあります。さらに、一倍体と二倍体のHAP1細胞株の挙動には根本的な違いがあります(5)。したがって、実行中のアッセイに基づいて二倍体が好ましい場合を除いて、倍数性を監視し、細胞のソーティングを実行して一倍体の状態を維持することをお勧めします。

細胞株についてさらにサポートが必要な場合は、お問い合わせください。更なる質問については、テクニカルサポートチームがお手伝いします。

 

Authors:

Ivonne Rubio, Ph.D. | Scientific Support Specialist 3 and Travis Hardcastle, MS | Product Manager

 

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  • HAP1 cell lines - are they the right cell model for you- blog post
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References
  1. S Xing, N Wallmeroth., et al. Techniques for the Analysis of Protein-Protein Interactions in Vivo. Plant Physiology 171, 727–758 (2016)
  2. M Boutros, F Heigwer., et al. Microscopy-Based High-Content Screening. Cell 163, 1314-1325 (2015)
  3. C Tomomori-Sato, S Sato., et al. Immunoaffinity Purification of Protein Complexes from Mammalian Cells. Methods Mol Biol 977, 273–287 (2013)
  4. DJ.Galas and A Schmitz. DNAase footprinting: a simple method for the detection of protein-DNA binding specificity. Nucleic Acid Research 5, 3157-3170 (1978)
  5. T Beigl, I Kjosås, et al. Efficient and crucial quality control of HAP1 cell ploidy status. Biology Open. 9, (2020)